靜心 shizugokoro

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Daikoku Ginger Ale

熊本で暮らすようになったのが、11年ほど前。
そして、私が引っ越してきたのとほぼ同時に、家からそう遠くない場所に大きな生産者直売所ができた。
野菜、果物、魚、肉、卵、乳製品、米、豆腐、納豆…見渡せば、そこで売られているのは、ほとんどが県産品で、多くは私の暮らす熊本市近郊で作られたものばかりだ。
また、種類が豊富なだけでななく、風味のよさも突出したものが少なくないことに驚く。

東京育ちの私にとって、そして、料理が暮らしの中心にある私にとっては、幸せこの上ない。
これだけのものが揃うならば、徹底して地元で採れたものだけで料理をしてみようと思い立ち、結婚してから数年間は、よほどのことがない限り、県外の食材には手を伸ばさないことが続いた。

それが、少しずつ、九州の中でも県外に友人ができ、また、九州の外、あるいは海外へも、友人を訪ねたり、新たな料理の世界を求めて頻繁に足を伸ばすようになっていった。
そして、その土地ならではの食材とも様々なご縁が生まれるようになったのは、うれしい限りだ。

佐賀県・唐津市にある松栄農園のジンジャーエールを教えてくれたのは、福岡県糸島市に暮らす、料理家の友人だった。彼女とは東京で料理の仕事を通して知り合い、同じ頃に彼女は福岡、私は熊本へ嫁いだ。
それぞれの子供達が同い年だということもあり、子供が生まれてから間もなくは、糸島と熊本を行き来する日々が続いたが、持ち前の探究心で、糸島界隈のおいしいものを発掘する彼女には、本当にたくさんのことを教えてもらった。

早速、松栄農園の松本さんに連絡をして、ジンジャーエールを送っていただく。
私の勝手な想像に反して、それは、ずいぶんと色白だった。ふたを開けると微かな、きめ細やかな泡が立ち、口に含めば、甘やかな優しいしょうがの香りがそこはかとなく漂う、なんとも軽やかな味わいだ。

材料は、しょうが汁、レモン汁、砂糖、はちみつ、レモングラス、そして炭酸水。
6つの素材が、どれも突出することなく瓶の中で共存している。松本さんが出会った、思い入れのある場所のおいしい水と、自分の家で作ったしょうがを使って作ってみたいと生まれたのが、”Daikoku Ginger Ale”と名づけられたジンジャーエールだ。

ジュースというよりも、何かの果実そのものを味わっているかのような、自然な甘さがある。
だから、飲み口がすっきりしていて、喉の奥に甘みが残らないので、気がつけば一瓶飲み干してしまう。

熊本でも雪が舞い、寒い日が続く今年の冬。
夕食の後、熱いお茶を飲んで身も心も温まると、なぜだろうか、すっきりと爽やかなものが飲みたくなる。
そんな時には、松本さんのジンジャーエールを開ける。

冬の夜に、不思議とジンジャーエールは似合うのだ。

細川亜衣

松栄農園 ダイコクジンジャーエール
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2021.01.13